『はじまりのうた』(2013年米) レビュー
☆☆☆☆☆ 5点満点中
「シングストリート〜未来へのうた〜」のジョン・カーニー監督。
キーラ・ナイトレイの彼氏役、メガネのいい男がはじめ誰かわからなかった。
彼の歌声を聴いて思わず鳥肌が立った。
あー、このメガネの彼はあの人だったの!こんな顔してるのねえ。
やはり彼はうまい。どんな曲調の歌でもちゃんと自分のものにしている。
ニューヨークの街角がそのまま音楽スタジオに早変わり。
車のクラクション、街なかの喧騒、子どものざわめきが楽器になる。
美しい音楽に包まれた、素敵なおとぎ話のようでいて、この映画、現代人の悲喜こもごもの、とくに影の部分がしっかり散りばめられているから甘くなりすぎない。
大人の青春をみずみずしく描いている。
全編にわたって疾走感があり、見終わったあと、心地いい疲労にゆったりと浸れる。